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隣の君

第9章 近くて遠いお隣さん…


触れた唇から伝わる

お隣さんの体温は

すごくすごく暖かくて


触れる前よりももっと

胸が締め付けられる…



ゆっくりと触れていた唇を離すと



「珍しく大胆やなぁ(笑)

って…お前…何で泣いてんの…(汗)?」


そんなお隣さんの声がして



ぼろぼろとお隣さんの頬に

こぼれ落ちている涙に

気付く…



「す…いません…

あれ…何でかな(笑)?」



なんて慌てて

お隣さんの頬に落ちた涙を

手のひらで拭おうと手を伸ばすと


その手をお隣さんが掴んで



「別に泣いてもええから

無理して笑うな…


俺もう少しこのまま寝るから

後で起こして…(笑)?」



そう言って笑うと

私の手を握りしめたまま

お隣さんはまた静かに目を閉じる…





あぁ…まただ…



いつだってお隣さんは優しく

私を包み込みんでくれるのに



その優しさに触れるほどに

不安になって縮こまってしまう…




もっと優しくしたいのに

大好きだって伝えたいのに



どうして私はこんなにも

弱虫なんだろうな…

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