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隣の君

第6章 認めたくない気持ち


「盗み聞きですか…(笑)?」


突然聞こえてきたそんな声に

顔をあげると…


ベランダから身を乗り出し

こっちを覗いているお隣さんと目が合う…



あまりに気まずくて


「これは…あの…そうじゃなくて…」


なんてしどろもどろになる私に



「別にどっちでもええけど…

それより今日のご飯は…(笑)?」


そう言ってお隣さんは

まるでそうするのが当たり前のように

笑いかけてくる…




いつもなら受け入れられる

その笑顔もなぜか今日は憎たらしくて




「ハンバーグ…」



「え…?」



「だから…ハンバーグです…今日は…」




「今からそっち行く!!」




とげとげ不機嫌になる私の声になんて

気付きもしないで


子供みたいな叫び声をあげて

部屋の中に消えていくお隣さんに


大きく1つため息を吐き出し


部屋に戻り


どんよりとした気分のまま

冷蔵庫に入れていた

ハンバーグのたねを

フライパンに並べた……
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