第4章 不思議な関係
"私は今誰を抱きしめているのか…?"
そんな恐ろしい現実に行き当たり
閉じていた目をゆっくりと…
そりゃもう出来うる限りゆっくりと
開いていくと
目の前に広がるのは
温かくて平らな生の胸で…
訳が解らないまま
これまたゆっくりと
目線を上にずらしていくと
そこに現れたのは
ソファーで眠っていたはずの
お隣さんの顔で
"おぇっ!?"
なんていう声にならない声が
喉から飛び出してくる…
しっかりと背中に回していた自分の腕を
そっとお隣さんから離し
私の腰に回されているお隣さんの手から
抜け出し
冷静になろうと頑張ってみたものの…
冷静になんて
どう頑張ったところでなれるはずもなく…
頭の中を
"やばいよ…やばいよ!?(汗)"
なんてどこかの誰かのセリフが
駆け巡っていくなか
そっと布団をめくり
乱れることなく一番上まで閉まっている
パジャマのボタンに
ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間
「おはよう…」
いきなり耳元でささやかれた
いつもより少し低くざらついた
お隣さんの声に
身体中の血液が沸騰して
ぼっと音を立てほっぺたが熱くなるのを
全身で感じた…(涙)