第4章 不思議な関係
私の作った親子丼を
口いっぱいに詰め込むお隣さんに
「おいしいですか…?」
そう聞いてみると
パンパンに膨らんだほっぺたで
ぶんぶんと上下にうなずく…
そんなお隣さんの姿が
なんだか無性にかわいくて仕方がない…(笑)
なんだろうこの感情は…?
例えるならば
母性本能をダイレクトにこちょこちょと
くすぐられているような
そんな感覚だ…
ご飯粒1つ残らず空になった器に
にんまりと笑いながら満足していると
「ごちそうさん…
今日もうまかったわ…」
そんな声がして
お隣さんはそそくさと立ち上がる…
お隣さんを玄関まで見送りながら
なんだか寂しいなんて感じてる自分の感情に
疑問を感じながら
「じゃあね…」
なんて手を振る私に
お隣さんは
「また後で今日の夜ご飯食いに来るわ(笑)」
そう言って後ろを向いたまま手を振る…
どうしたんだ今日の私は…?
お隣さんの何気ない言葉や態度に
感情がくらんぐらんと揺さぶられる…
"また後で…"
そのたった一言に
きっと今私の顔が
情けないほどにゆるゆるに
緩んでしまっていることは
他の誰でもなく
私が一番解っている……