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隣の君

第2章 天国から地獄へ


たいして興味もなさそうに投げ掛けられた

その質問に


"います!!"


そう嘘をつけば

このずうずうしくてめんどくさい

お隣さんから逃げることが

出来れるんだろうか…?


そんな考えがちらりと頭をよぎるけれど



嘘をつくことでまたこの先

罪悪感にさいなまれることに

耐えられそうになくて



ため息を吐き出しながら



「3年前に別れて以来

彼氏と名のつくものはいませんけど…?」



そう正直に答えると…



お隣さんはテレビに向けていた顔を

くるりとこちらに向けて




「やっぱりな…

何かこの家もお前も

全然男の気配もせーへんから

そうやと思ったわ(笑)」



なんて嬉しそうにけらけらと笑う…



私から男の気配がしようがしまいが

お隣さんに何の関係があって

笑っていらっしゃるのか

私には解らないけれど



すごく楽しそうでなによりです…(涙)



そんな楽しそうなお隣さんに



「あの…どうでもいいんですけどね…

その"お前"って呼び方やめてもらえます…?

私にもちゃんと名前があるし…

昨日自己紹介しましたよね…?」



そう文句を言って

中断していたお皿洗いを

再開すると…



「はる…」



そう突然下の名前を呼ばれて

心臓がどくんと大きな音をたてた…
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