第2章 天国から地獄へ
「ごちそうさまでした」
あっと言う間にお皿を空にした
お隣さんは"いただきます"の時と同じように
手を合わせてスプーンを皿の上に
置くと満足そうにお腹を左手で
さすり…
「お粗末さまでした…」
そう言ってお皿を下げる私に
「ほんまにうまかったわ…(笑)」
なんてさらりと言い放つ…
ほんとこういうの
やめてほしい…(汗)
ずうずうしいし…
遠慮のかけらもないし…
大した知り合いでもないけど…
そんな風に誉められたら
顔が勝手ににやけてしまうじゃないか…(笑)
料理を誉められたことに
気が緩んで
「こんなんでよければまたいつでも…(笑)」
そう言った瞬間
「ええの(笑)?
じゃあ明日からもよろしくな?」
そんな声が聞こえて…
「こちらこそ(笑)」
そう振り返らずに答えた私に
「ほんまに助かるわ…
明日からもこれくらいの時間に来るわ(笑)」
なんて予想だにしない言葉が
返ってきて…
持っていたお皿が
ガチャンと大きな音をたて
床の上に散らばっていった…