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ハリー・ポッターと純血の守護者

第9章 【心の声】


「それだけではありません。貴女は授業中の小テストにも先生を侮辱した答案を出したらしいですね。ロックハート先生はそれはそれはお嘆きになっていましたよ、新任してまもなくこんな手のかかる生徒はいないと。私は話を聞いた途端顔から火が出るかと思いましたよ」
「申し訳ありません、反省しています」

 そう言うと、マクゴナガル先生は召喚の杖をクリスに手渡してくれた。たった半日手元に無かっただけなのに、まるで1年ぶりに手元に帰ってきた気がする。クリスは感動で胸が締め付けられ、顔をほころばせながら杖をぎゅっと握り締めた。

「話はそれだけではありませんよ、ミス・グレイン」

 安心しきったクリスの顔を見て、マクゴナガル先生は追い討ちをかけるように白い封筒を手渡してきた。ライラック色に光るインクで書かれた名前に、クリスの眉がピクリと動いた。しかし動じてはいけない。クリスは震える指で手紙を開けると、中に入っていた手紙をゆっくりと取り出した。

【Dear ミス・グレイン】
 貴女の仰っていた悪魔は、この私が二度とこの世に現れないよう徹底的に退治しておきました。これからはご安心して私のそばで授業を受けることが出来るでしょう。しかし期待してはいけませんよ、これは闇の魔術に対する防衛術の教師としての責務を果たしただけであり、貴女に対しては特別な感情を抱いているだけではありませんから。
 ですが特別に、貴女の杖に私からの祝福をプレゼントしておきました。どうか貴女にも私の平和を愛する心を分け与えましょう。               
       微笑の貴公子・ギルデロイ・ロックハート

 はっとして、クリスは召喚の杖を隅々まで見渡した。見ると、なんと柄の部分に同じくライラック色に光るインクでもって「貴女に幸運を――ギルデロイ・ロックハート」と、でかでかとサインがされてあった。
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