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ハリー・ポッターと純血の守護者

第7章 【有名人の憂鬱】


「はい!ぼく、マグル生まれなんですけど、あなたのことを知ってすごく感動したんです。だから組み分けであなたと一緒のグリフィンドールに選ばれたときは本当にうれしくて――それで、どうしてもあなたとお近づきのしるしに写真を一緒にとってほしいんです!」

今や廊下中の生徒の視線がハリーとコリンに注がれている中、お構いもせずコリンは首からぶらさげているマグルのカメラのようなものを持ってぐいっとハリーに近寄ってきた。ハリーはどう断っていいやら、混乱と恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら口をパクパクしている。

「それから、で、出来るならサインも一緒にお願いしたいんです」
「サインだって!ポッター、ついにサイン会だけでは飽き足らず、サイン入り写真をばらまくようになったのかい?」

 嘲るドラコに、ハリーはますます顔を真っ赤にしてにらみつけた。だがドラコは調子に乗って、廊下中に聞こえるような大声ではやしたてた。

「おーい、皆ここに並べよ!今からポッターがサイン入り写真を配ってくれるそうだぞ!!」
「やめろマルフォイ、僕はそんな事しない!」
「へえ、そうかい?馬鹿な車で登場したり、馬鹿な教師と新聞に載ったりするくらいだから、お前なら喜んでやりかねないと思ったよ。なあ皆?」

 ドラコの呼びかけに、廊下にいた生徒の大半がクスクスと笑い声を上げた。これ以上の侮辱はもう我慢できない。ハリーはぐっと握りこぶしを固め、クリスはパンジーに向けようとしていた杖を今度はドラコに向けた時、廊下の向こう側から目にもまぶしいトルコ色のローブが大またでこちらに向かってきた。

「なんだって、誰だい?サイン入りの写真を配っているのは――やあ、ハリー!君じゃないか!」

 新学期早々、何故こんなに悲劇が重なるのだろう。生徒の間をかき分けるようにやってきたロックハートは、ブロンドの前髪をサッとかき分けると、まるで旧友と感動の再会を果たしたかのようにグッとハリーの肩をつかみ寄せた。

「さあ、撮りたまえクリービー君!遠慮なんかいらないさ!!2人の英雄の姿をバッチリそのカメラに収めるといい。もちろん2人分のサインも入れてあげよう」
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