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ハリー・ポッターと純血の守護者

第6章 【Opening】


 お節介はごめんだと、ロンはハーマイオニーの手を軽く振り払った。対峙する4人の真ん中では、待ちくたびれた太った婦人が大口を開けてあくびをかいている。彼女の仕事は合言葉を聞くことで、痴話喧嘩を聞く事ではない。
 しかも待たされた挙句、結局太った婦人の出番はなく、4人の目の前で突然内側から肖像画がパッと開かれた。

「ハリー、ロン!ちょうど良かった、今探しに行こうと思ってたんだぜ!!」

 その言葉を合図に、談話室にいたグリフィンドール生がわっとハリーとロンに群がり、あっという間に2人の腕を掴んで談話室に引っ張り込んだ。取り残されたクリスとハーマイオニーが穴をよじ登った頃には、2人は部屋の中心で大勢の生徒に囲まれ、拍手や手厚い歓迎にすっかり気分を良くしていた。

「すっげえなあ、マジで感動したぜ!空飛ぶ車でホグワーツに来るなんて前代未聞だな!!」
「しかも暴れ柳に突っ込んだんだろ?あいつはただでさえ手ごわいって言うのに」
「ねえ、どんな風にホグワーツまで飛んできたの?詳しく教えてちょうだい」
「どうして俺達も誘ってくれなかったんだよ!」

 リーやフレッド達だけでなく、見知らぬ上級生までもハリー達に気さくに声を掛けていた。まんざらでもなさそうに照れ笑いを浮かべるハリーとロンに、ハーマイオニーの体からは怒りのオーラがみなぎっている。
 それに気づいたハリーがロンを肘でつついたが、ハーマイオニーは顔も見たくないのか、おもいっきり顔を背けると何も言わずに女子寮への階段を上っていってしまった。

「さぁ……て、知らないぞ、私は」
「でも何もあそこまで怒ることないだろう」
「怒りたくもなるさ。散々心配して迷惑かけさせられた挙句、当の本人達にまったく反省の色がないんじゃな」

 そこまで言うと、ハリーもロンもやっと少しは反省したのか、バツがわるそうに視線を下げた。

「……ゴメン、そうとは知らずに僕ら――」
「待った、それは私よりハーマイオニーとジニーに言ってあげるんだな」
「どうしてクリス?にだって迷惑掛けたんだから、謝るよ」
「それはそうだけど、私も2人にはちょっと悪い事をしたから。不思議に思わなかったか?よりによって何故スネイプが君達を出迎えに行ったか。つまり、そういう事だよ」
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