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ハリー・ポッターと純血の守護者

第6章 【Opening】


「もうご存知だと思いますが、ポッターとウィーズリーには少々……羽目を外しすぎてしまう傾向があります。ですから、一緒にいる貴女方が常日頃から節度ある態度を心がけ、今後は彼らが行き過ぎた行動を起こさないよう、注意する立場にあると言う事をくれぐれも肝に銘じておきなさい」

 唖然とするクリス達は何も言う事ができず、マクゴナガル先生が立ち去るのを突っ立ったまま眺めていた。先生が廊下の角を曲がると、ハーマイオニーの方が先に金縛りから開放された。

「なっ……どうしてあの2人の事で私たちまで注意されなくちゃならないの!?もとはと言えばあの2人が勝手に起こしたことでしょう、それなのにどうして!?」
「そんな事、私に言ったってしょうがないだろう」

 しかしハーマイオニーが怒るのも無理なかった。どうやらマクゴナガル先生は、今回の事件を止めなかったクリスとハーマイオニーにも責任があると考えたらしい。
 それにしても今日はハリーとロンのお陰で良い事が無かった。要らぬ心配はさせられるは、無駄骨は折るは、フィルチには絡まれるは、マクゴナガル先生には注意されるは……。

 クリスとハーマイオニーはどうも矛先の定まらぬ怒りを心にためたまま、グリフィンドール寮へと戻っていった。すると、太った婦人の前で立ち往生している2人組みを見つけた。あの独特の燃えるような赤髪と、くしゃくしゃの黒髪を見間違えるはずがない。

「ハリー、ロン!やっと見つけたわよ!」

 ハーマイオニーが声を掛けると、2人は彼女の気持ちなど知らずに安心したような表情を浮かべた。

「良かった、合言葉が分からなくて困ってたんだよ。教えてくれない?」
「教えてくれない?じゃないわよ!あなた達のお陰でこっちは散々だったのよ。列車中どこを探してもいないし、かと思えば空飛ぶ車で墜落して来るし、マクゴナガル先生には怒られるし!こっちがどれほど迷惑したと思ってるの!?ちゃんと何があったか説明してもらいますからね!」
「分かったから、明日にしてくれよ。僕達今夜は疲れてるんだ」

 確かにロンの言うとおり、2人の顔は自信や充実とはかけ離れ、疲労が顔ににじみ出ていた。おまけに体中赤く打身の跡ができて、ローブの袖口からはかすかに赤く血が滲んでいる。

「どうしたのそれ?早く医務室にっ――」
「いいよっ、これくらい舐めときゃ治る」
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