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ハリー・ポッターと純血の守護者

第5章 【青空の旅】


「まったく……いいか、僕は監督生だから最前列に行くが、絶対にこれ以上騒ぎを起こすなよ」
「はいはい、分かったよ。さてと、それじゃあ俺達もリーの所に行くか。やつに今生まれたばかりの伝説を聞かせてやらなきゃ」
「ジニーはどうする?僕達と一緒……よりも、やっぱり女の子同士の方が良いか」

 「だろ?」とジョージは意味深なウインクをジニーに投げると、答えも聞かずそのままフレッドと一緒に悪友のリー・ジョーダンのコンパートメントに行ってしまった。嵐が過ぎ去った後の廊下は驚くほど静まり返り、聞こえてくるものといえばのんびりと列車が走る音だけだ。

「じゃあ、そろそろ私たちもコンパートメントに戻るか」
「ええ、そうし――」

 きびすを返したハーマイオニーが急に言葉を切り、足を止めた。大きく目を見開き、顔は青くなっている。クリスは不思議そうにハーマイオニーの顔をのぞき込んだ。

「どうした?」
「ねえ、私達……ハリーとロンのトランクって運んだかしら?」

 ハーマイオニーの言葉に一瞬思考を停止させた後、クリスはフル回転で記憶を手繰り寄せた。出発間際にゴタゴタしていた所為で気にも留めていなかったが、言われてみればハリー達のトランクどころかその姿を見た記憶も無い。
 最悪の予感に、ハーマイオニーに続いてジニーとクリスも顔を青くした。

「まさか、2人とも乗り遅れちゃったの?」
「はは、まさか……きっとどこか別のコンパートメントにいるんだ。うん、きっとそうだ」
「念のため2人を探してみましょう」

 その提案に異論なんてあるわけがない。早速3人は手分けをして列車内のコンパートメントをしらみつぶしにあたってみる事にした。万が一に備え、騒ぎを大きくしないよう限られた人にだけ2人の行方を聞いてみたが、誰もその姿を見ていないと言う。その言葉通りどのコンパートメントにも2人の姿はなく、クリス達の胸に不安が圧し掛かった。

「どうしよう……わたしのせいかな。わたしが出発間際にもたもたしていたから……」
「落ち着いてジニー、それは関係ないわ。それに万が一乗り遅れていたって、おじさんとおばさんが一緒なんだもの。ちゃんとホグワーツに来られるわよ」
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