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ハリー・ポッターと純血の守護者

第4章 【仕組まれた出会い】


「おやクリス、こんな所で会うとは思わなかったよ。君はたしか漏れ鍋にいるはずじゃないのかい?」
「いや、これには深いわけが……」
「それともポッターが君を連れ出したのかい?ロックハートとの合同サイン会で人手が足りないから。はッ!良かったじゃないか、せいぜい明日の新聞には2人分のサインを入れてもらえよ」
「やめてよ、ハリーがそんな事するわけないじゃない!」

 言い返せないクリスに代わって、脇にいたジニーが果敢にもドラコに言い返した。しかし相手が悪かった。ドラコはジニーに向かって意地悪く嘲った。

「良かったじゃないかポッター、新しいガールフレンドが出来て。それも額のキズのお陰なのかい?」
「もう止めろドラコ、私が悪かった。もう店に戻るからそれくらいにしてくれ」
「残念だが……その必要は無いぞ、クリス」

 今度こそクリスは心臓が止まるかと思った。いや、実際2・3秒は止まっていたかもしれない。それほどまで、この声にはクリスを震え上がらせる力があった。
 ドラコの後ろから、侮蔑の眼差しとともにルシウスが現れると、クリスは伏せた目線を上げることが出来なくなり、ただ押し黙るしかなかった。

「今日という今日は失望させられたよ、クリス。こんな連中と付き合っていると君の品位まで落ちると何故分からないのか――理解に苦しむ」
「これは、その……」
「……ルシウス、子供が誰と付き合おうが、それは親の口出すところではないと私は思うが?」

 その時、まるで萎縮したクリスを庇うように、ウィーズリー氏がルシウスの前に立ちはだかった。両者の間に、何か因縁を感じさせる緊張が走る。暫く睨み合っていた2人だったが、不意にルシウスはジニーの持つ教科書に目をやると、それを見せびらかすようにして嘲りの笑みを浮かべた。

「笑わせるなアーサー、教科書も満足に買ってやれず、惨めにも恵んでもらっているような貴様に親のあり方を説く権利があるのか?」
「っ貴様ぁ!!」

 ウィーズリー氏は髪と同じくらい顔を真っ赤にさせると、ルシウスの胸倉に掴みかかった。2人の体が勢い余って店の本棚にぶつかると、その衝撃で本が崩れ落ち、驚いた客の悲鳴で店内が騒然となった。
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