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ハリー・ポッターと純血の守護者

第4章 【仕組まれた出会い】


 相変わらずのスレテオボイスで、双子が一斉に叫んだ。驚きと興奮の入り混じった顔で、ノクターン横丁での話を聞きたそうにウズウズしている。この2人にかかれば、闇の魔術の恐ろしさより好奇心の方が偉大らしい。

「それじゃあ、クリスもそこにいたのか?」
「まあ、そういう事だよ」
「羨ましいなあ、僕達まだそこに行く事を許してもらった事ないんだ。でもきっと、ママがそれを知ったら叫びだすぜ――おっと、噂をすれば……」

 ジョージの言ったとおり、兄弟の母親と思しき人物が、丁度こちらに向かって階段を駆け上ってくる所だった。少し太めのおばさんは皆と同じ燃えるような赤毛で、片手にハンドバッグ、もう片手におさげの女の子を掴んで振り回している。そのジニーという名の女の子は到着した途端「キャッ」と小さく悲鳴をあげ、母親の陰に隠れてしまった。

「ああ、良かったわハリー。危険な場所に行ってたらどうしようかと心配していたのよ。どこか怪我は無い?その眼鏡はどこでぶつけたの?」

 ハリーの姿を確認すると、ウィーズリー夫人は勢い余ってハリーを抱きしめた。困り顔のハリーを見ながら、ロンがクリスの耳元で「スゴイだろ?休み中あんな調子だったんだ」と教えてくれた。
 次にウィーズリー夫人はハンドバッグからはたきを取り出し、ハーマイオニーが落としきれなかったススを払い終わると、今度はつえを取り出して割れたハリーの眼鏡を新品同様に直した。それからようやくクリスとハーマイオニーの存在に気づいた。

「あら、それでこちらのお2人は?」
「紹介するよママ。僕らの友達で、ハーマイオニー・グレンジャーと、クリス・グレインだよ」
「そっ……そう。それじゃああなた方がロンのお友達のハーマイオニーとクリスね」

 ウィーズリー夫人は極力表情を崩さないように微笑んでいたが、一瞬クリスの方を見て、声が上ずったのが聞こえてしまった。些細な事かもしれないが、こんな時はやはり自分と皆との間に壁を感じさせられてしまう。クリスは差し出しかけた手を引っ込めた。

「すみません……握手は止めておいたほうが良さそうですね」
「えっ?い、いいえ。そう言うつもりじゃ……」
「おーい!なんだ、皆そろってるじゃないか!」
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