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ハリー・ポッターと純血の守護者

第4章 【仕組まれた出会い】


 その言葉にハリーとクリスは顔を見合わせた。お互い思い当たる節がありすぎる。

「そうだった!……ハグリッド、教えてくれてありがとう。僕達いそぐから、じゃあね」
「おお、気ぃつけろよ」

 ハグリッドと別れると、2人は走ってノクターン横丁をぬけた。夏の日差しとにぎやかな雑踏に安心するまもなく、急ぎ主要な大通りへと出る。ハグリッドの口ぶりからすると、多分店の中には入っていないはずだ。
 人ごみの中見落とさないよう注意深く目を凝らしていると、ふいに上の方から聞き慣れた少女の声が降ってきた。まさかと思い、声のした方に顔を上げると、グリンゴッツの大きな階段の上からハーマイオニーが手を振っていた。

「もう、心配したのよ。2人とも今までどこにいたのよ。それにハリー、その格好どうしたの?」
「話す長くなるんだ。……けど、会えてよかったよ、ホント大変だったんだ」
「大変だったのはこっちも同じよ。クリスは時間になっても来ないし、やっとロンと会えたと思ったら今度はハリーが行方不明だって言うし。仕方が無いからここから2人が通りかかるのをずっと見張ってたのよ。……それにしても、本当にひどい格好ね」

 ダイアゴン横丁一大きくて見晴らしの良いグリンゴッツなら、確かに人を探すのには持ってこいだろう。この効率の良さ、そして甲斐甲斐しくハリーの服についたススを払うおせっかいさに、クリスは夏休み前と変わらぬ彼女らしさを見て微笑んだ。

「ありがとう、もういいよ。ところでハーマイオニー、ロンがどこまで行ったか知らないかな?」
「そこまでは知らないわ。ご家族と手分けしてあちこち探してるみたいだけど……あ、ほら。あそこにいるのそうじゃない?」

 ハーマイオニーが指差した先に、燃えるような赤毛が3つ見えた。多分あれはロンと、双子のフレッドとジョージだ。人ごみを掻き分け、きょろきょろ辺りを見回している。白い石段の上から声をかけると、それに気づいた3人が大急ぎで階段を駆け上ってきた。

「なんだよ、2人とも一緒にいたのか。僕らあちこち探し回ってたのに」
「ゴメン、心配かけちゃったね」
「僕らはともかく、ママとジニーは半狂乱だったぜ。いったいどこの火格子から出たんだよ」
「なんだっけクリス?――ああ、そうそう。ノクターン横丁」
「「マジかよ、すっげぇ!!」」
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