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ハリー・ポッターと純血の守護者

第31章 【陽の光の中で】


「だから、夏休みにした賭けに僕は勝った。だから……命令として僕と同じコンパートメントに乗ってもらうぞ!」
「まさか賭けって、チームを買収してシーカーになった事を言っているのか?」
「ど……どんな手を使ったって、賭けは賭けだ!」

 開き直るドラコに、クリスは冷たい視線を投げかけた。その間、ドラコはちょっと怯みながらもクリスの視線をじっと見つめていた。それからどのくらいの時間そうしていただろう。やがて、クリスはハアッと大きくため息をついた。

「……グラップ、ゴイル。私の荷物をコンパートメントに運べ」
「えっ?」
「聞こえなかったのか?私の荷物を運ぶんだ」
「それじゃあ……クリス!」
「まあ、賭けは賭けだからな」

 それを聞くと、ドラコの頬が緩んで、パアッと明るい笑顔を見せた。

「ほら、グラップ、ゴイル!さっさと荷物を運ぶんだ!」

 そう言って、ドラコはグラップとゴイルを連れて人ごみの中へと消えていった。それを見届けてから、クリスは改めてハリー達の方へ向き直った。

「と、言うわけで、今年はここまでみたいだな」
「クリスってば、意外とマルフォイの奴に甘いよな。僕だったら一生絶交したまんまだったのに」
「まあ、また夏休みの間ドラコをからかう日々が続くと思うと、今仲直りしていた方が何かと便利だと思ったんだよ」
「夏休み――そうだ!」

 ハリーが急に何かを思い出したように、カバンから羊皮紙と羽ペンを取り出すと、不思議な数字の羅列を書いてそれぞれロン、ハーマイオニー、クリスに渡した。

「それ、電話番号っていうんだ。ロンは、夏休みにウィーズリーおじさんに電話の使い方を教えたから大丈夫だと思うし、クリスは、手紙でハーマイオニーから使い方を聞いておいて」
「こ、これが『でんわばんごう』というやつか……知ってるぞ、『こーしゅーでんわ』からかけられるんだよな!」
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