• テキストサイズ

ハリー・ポッターと純血の守護者

第30章 【祭りの前に】


 幼い日の、数々の悪戯をした後のお説教を思い出し、クリスは背筋に鳥肌が立った。おじ様を怒らせたら、妻であるナルシッサおば様でしかご機嫌を取ることしかできない。ハリーは大変な人を敵に回したとクリスは思った。

 その後、ドビーは二度とハリーの命を助けようとしないと約束すると、ハリーをぎゅっと抱きしめ、どこかへ消えてしまったと言う。自由を手に入れた屋敷しもべが、いったいどこで暮らしていくのだろうと不思議に思ったが、そこはあそこまで自由を求めて止まなかったドビーの事だ。きっとどこかで上手くやっていくのだろう。

 ハリーが全て話し終えると、外はもう朝日が差し込み始めていた。少しだけでも休憩を取ろうと、3人はそれぞれ自分のベッドへと帰ることにした。
クリスはベッドへもぐり込むと、緊張が解けたのかどっと疲れが出てきた。去年は召喚術を使った所為で、1週間も医務室のお世話になっていたのだ。それを考えると、こうして気を失うことなく怪我の治療だけで済んだのは、ある意味進歩ともいえる。

 そう言えばあの時――リドルがクリスを操ろうと魔法をかけた時――召喚術は全く使えなかった。そのおかげでリドルに勝つことが出来たのだが、もしあの時ハリーを攻撃していたら……きっと2人とも命は無かっただろう。
 でもどうして召喚術が使えなかったのか。それが不思議だ……クリスはまどろみながらそんな事を考えていた。その所為か、不思議な夢を見た。
/ 294ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp