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ハリー・ポッターと純血の守護者

第28章 【トム・リドル】


「ダンブルドアが味方に送ったのはそれだけか!良かったな、ハリー・ポッター。歌う鳥とボロボロの組み分け帽子、さぞかし心強いだろう?」

 リドルは完全に勝ち誇ったように高笑いを続けた。確かに不死鳥と組み分け帽子で何が出来るのか分からないが、ダンブルドアが送って来てくれた物なら、必ず意味があるはずだ。それに奴が本当に『例のあの人』だとしたら、1年前のようにもう一度召喚術を使って――望みは薄いが、やってみる価値はある。クリスは召喚の杖をぎゅっと握りしめた。

「さて、そろそろ本題に入ろうか。2回――君たちにとっては過去に、僕にとっては未来だが――2回も僕たちは出会った。そして2回とも僕は君を殺し損ねている。そこにいるクリスの様に特別な力を持っているならいざ知らず、ただの魔法使い、もとい赤ん坊だった君はどうやって生き残った?」
「それは……」

 そうこうしている内に、リドルの輪郭がどんどんハッキリしていった。その分ジニーの魂が吸われているんだろう。一刻も早くリドルを倒さなければ。クリスは召喚の杖を握りしめて神経を集中させた。

(お願いだ、精霊達よ。私に力をかしてくれ!!)

 すると、1年前と同じように、杖が暖かくなるような感じがした。自分のものであって、自分のものではないような力が、杖を介して体中を巡ってくる。ハリーとリドルが話している間に、クリスはこっそりと、だが確実に精霊を呼び出す準備をしていた。
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