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ハリー・ポッターと純血の守護者

第26章 【狙われた少女】


 その紙切れの端に、見慣れた文字でこう書かれていた――『パイプ』と。それを見て、ハリーがばねに弾かれたように立ち上がった。

「これだ、これだよ!秘密の部屋の怪物はバジリスク!!そしてそいつはパイプの中を通って移動しているんだ、だから僕にしか声が聞こえなかったんだ!!」

 さらにハリーは興奮冷めやらぬ様子で辺りをグルグルと回り始めた。

「バジリスクは視線で人を殺す――けれど誰も直接目を見なかったんだ!だから誰も死なずに石になったんだ!コリンはきっとカメラ越しにバジリスクを見たに違いない。ジャスティンンは……そうだ、ほとんど首なしニック越しに見たに違いない。ニックは死んでいるからもう一度は死ねない。ハーマイオニーとレイブンクロー生は、鏡越しに見たんだ!だから近くに鏡が落ちていたんだよ!!」
「待って、それじゃあミセス・ノリスは?」
「ミセス・ノリス……ミセス・ノリスは――水だ!あの晩は『嘆きのマートル』のトイレから水があふれていた。その水に写った姿を見たに違いないよ!」

 ハリーはくしゃくしゃになった紙を広げると、他にも当てはまるところが沢山あると言い出した。

「蜘蛛が逃げ出す時バジリスクが現れる。唯一の弱点は雄鶏の鳴き声――確か前にハグリッドの雄鶏が全部殺された!何もかもぴったり当てはまるよ!!」
「もしハリーの言う通り、パイプの中を移動しているって言うなら、『秘密の部屋』の入り口は……」
「50年前に殺された女の子のいるトイレ――『嘆きのマートル』のトイレだ!」

 興奮が一気に体中を駆け抜け、3人は居てもたってもいられなかった。今すぐこの事をマクゴナガル先生に話さなくては。時計を見ると、休憩時間まであと10分と言うところだった。マダム・ポンフリーに礼をすると、3人は待ちきれず職員室に向かった。しかし職員室には誰もおらず、3人は大人しく座って待つこともできずうろうろと机と机の間を歩き回った。然し10分を過ぎてもチャイムが鳴らず、訝しんでいた3人の耳に、魔法で拡声されたマクゴナガル先生の声がこだました。

「生徒は皆、それぞれの寮に戻りなさい!職員は至急職員室にお戻りください!!」
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