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ハリー・ポッターと純血の守護者

第26章 【狙われた少女】


 それを聞いて、3人の間に緊張が走った。また誰かが襲われたのかもしれない。ハリー、ロン、クリスの3人は目配せしあうと、談話室に戻らず、洋服掛けの中に身をひそめて、何があったのか耳をそばだてた。
 長い様で短い時間が経った頃、ようやく職員室の扉が開いて先生たちが集まり始めた。

「ついに起こってはならない事件が起こりました」

 マクゴナガル先生のいつも見せる厳格な顔が、より一層強張って見える。クリス達は一言も聞き逃さないように息をひそめた。

「生徒が1人、怪物に連れ去られました。『秘密の部屋』そのものです」

 ロンが「えっ」と声をあげそうになったのを、ハリーがすかさずロンの口を押えた。驚いたのはロンだけではない。フリットウィック先生は椅子から転げ落ちそうになり、ゴーストのビンズ先生でさえそわそわ落ち着きのない様子である。そんな中で、スネイプだけが質問をする余裕を持ってた。

「いったい何故そんなにはっきりと言えるか、わけを聞かせてもらおう」
「『スリザリンの継承者』が伝言を書き残しました。最初に書かれた文字のすぐ下です。『彼女の白骨は永遠に秘密の部屋に横たわるであろう』と」

 それを聞いて、クリスはとっさにハリーの方を見た。ドビーは『秘密の部屋』が開かれたらハリーに被害が及ぶと言っていた。それなら『秘密の部屋』に連れて行かれたのは、いったいは誰なのだろう。クリスの疑問を代弁するように、マダム・フーチが弱弱しく質問した。

「誰なんです……その襲われた女子生徒というのは……」

 その質問に、マクゴナガル先生はこれまで以上にないと言うほどぎゅっと唇を真一文字に結んだあと、覚悟を決めた様に口を開いた。

「襲われた女性とは――ジニー・ウィーズリー。今年入学したばかりの子です」

 マクゴナガル先生の言葉を聞いて、ロンは足の骨が無くなってしまったかのように、力なく崩れ落ちた。
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