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ハリー・ポッターと純血の守護者

第26章 【狙われた少女】


「いったい何なんだよ、ジニー」
「もしかして、『秘密の部屋』に関することなの?誰か、何か怪しいものでも見たの?」
「あのね、あたし――」

 ジニーがやっと心の内を明かそうとしたとき、運悪くパーシーが、どっと疲れた顔で割り込んできた。

「ああ、やっと見回りが終わったよ。ジニー、食べ終わったんならそこを退いてもらえないか?こっちはもう腹ペコなんだ」

 パーシーが現れるなり、ジニーは一瞬体を硬直させると、辺りをきょろきょろ見回して、そそくさと人ごみの中に消えて行ってしまった。そんな事はお構いなしと言わんばかりに、パーシーはジニーがいた場所を陣取り、フレンチトーストを大口を開けて食べ始めた。

「パーシー!なんでいっつも間の悪い時に入って来るんだよ!折角ジニーが何か言おうとしていたのに!!」
「ジニーが?何をだい?」
「だから、それを言おうとした時にパーシーが割り込んできたんじゃないか」
「ああ、大丈夫。大したことじゃないさ」

 ロンは怒っていたが、パーシーの方はまるでジニーの言いたいことが分かっているかの如くサラリと返した。

「ジニーは、まあ、ほら……多感な時期だし。他の女の子よりも成長が早いけど、僕と約束したからな。絶対に他の人には言わないって。だから君たちが気をもむ必要もないし、心配することも何もない」

 パーシーが何を言っているのか全然わからなかったが、ジニーの秘密について、何か知っていることは明らかだった。クリス達は何とかジニーの言いたかった事を聞き出そうとしたが、パーシーは「大した事じゃない」といって決して教えようとはしなかった。
 そうこうしている内に2日が経ち、テストを明日に控えた身になっていた。ジニーの事も気になったが、今は頭の中はテストの事でいっぱいだった。クリスが教科書を読みながら昼食を取っていると、ハリーが突然「あっ!」と声を上げた。

「どうした、ハリー?」
「今日、ロックハートが引率の日だ……」
「……と、言う事は?」
「やってみるか?」
「――やってみよう!」

 3人は額を近づけながら、ニッといたずらっぽい笑みをこぼした。
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