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ハリー・ポッターと純血の守護者

第25章 【蜘蛛の王】


「ハグリッドが今大変なんです!だから僕たちここに来たんです!!」
「大変?」
「ホグワーツでは今、皆ハグリッドが秘密の部屋を開けて、魔物をけしかけて生徒を襲っていると思っているんです!魔法省はハグリッドを逮捕して、アズカバンに送りました!!」

 それを聞いたアラゴクは怒り狂って、鋏を何度も鳴らした。もしも蜘蛛に顔色があったとすれば、アラゴクの顔は今、真っ赤に違いない。

「愚かな人間ども!!また同じ過ちを繰り返すつもりか!!」
「……同じ過ち?」
「そうだ、50年前も同じような事件が起こった。ハグリッドは卵から儂を孵してくれ、食事の残りを分け与えてくれた。ハグリッドは良いやつだ。物置に儂を匿ってくれ、ひっそりと育ててくれた。儂の親友だ!そして儂が見つかってしまい、女の子殺しの罪を着せれらた時も儂をかばってくれた。それ以来儂はこの森に住むようになった。妻も探してきてくれ、こんなに家族が大きくなった――全てハグリッドのおかげだ」
「それじゃあ彼方は……一度も人を襲ったことは無い……?」
「ハグリッドの名誉にかけて言おう、人を襲った事は一度もない。殺された女の子の死体はトイレで発見された。儂は住処であった物置以外、どこも行った事がない。儂らは暗くて静かなところを好むのでな」
「それじゃあ、いったい何が女の子を殺したのか知りませんか?今そいつが戻ってきて、生徒たちを襲っているんです」

 話しの真相に近づくにつれ、ざわざわと風の音に紛れて、周りにいたクモたちが少しづつ鋏を鳴らし始めてきた。身の危険を感じ、クリスは杖をぎゅっとにぎった。

「――城に住むその生き物は……儂らクモの仲間が一番恐れてる、太古の生き物だ」
「その生き物は?――」
「儂らはその生き物の名を口にはしない!!過去ハグリッドに何度も聞かれたが、儂はその生き物の名を一言も口にしなかった!!」

 ゼイゼイと息をきるアラゴクは、疲れた様にスーッと巣穴の方に体の向きを変えた。話しはもう終わりだろう。クリス達も帰ろうと、少しづつアラゴクから遠ざかろうとした。
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