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ハリー・ポッターと純血の守護者

第24章 【ハーマイオニーの危機】


「そんな……ただの偶然だろ?」
「それだけじゃないんだ!時々、頭の中で声が聞こえるんだ。『マグルを殺せ』って『純血以外は殺せ』って何度も、何度も!――だから私なんだ、私が一連の事件の犯人なんだ」

 クリスの涙がローブを濡らした。点々と、次々に涙の跡が出来てくる。小さな嗚咽が部屋に響いた。どのくらい時間がたったのだろう。突然ハリーがしゃがんだかと思うと、クリスの血の滲んだ両手を力づよく握った。

「君じゃない」
「え?」
「真の後継者は絶対に君じゃない、僕が保証する」
「……どうして?」
「君は絶対に、理由なく人を襲うなんて出来ないからだ。僕は君を信じてる。だから、君も僕を信じて」

 どうしてだろう、ハリーに手を握られてそう言われると、本当にそう思えてくる。クリスはまた目頭が熱くなるのを感じ、握られたハリーの手を握り返した。

「ハグリッドに会いに行こう。僕たち、もっと早くそうすべきだったんだ」
「でも、ハグリッドが今回の秘密の部屋を開けた人物とは限らないんじゃないのかい?」
「でも前回秘密の部屋を開けたのだとしたら、部屋が何処にあるのか、どうやって入るのか知っているはずだ」
「でもどうやって行くんだよ、この襲撃で警備はより一層手ごわくなったはずだぜ?」
「今こそ……パパの透明マントを使う時だ」

 ハーマイオニーが襲われたとあっては、グズグズなんてしていられない。さっそく今夜ハグリッドに会いに行く事にした。まずハリー達が透明マントを被って部屋から出てくると、談話室でひっそり座っていたクリスの肩をトントンと2回たたいた。それを合図に、クリスは誰にも見られないようにマントの中に潜り込んだ。ここまでの作戦は終了、問題は次だった。廊下に出ると、見回りの先生やゴースト達がうようよしていた。ここはクリスの位置探知能力の出番だ。先生たちの間をすり抜け、見事城を脱出した。
 辺りに見回りの先生方は見当たらなかったかが、念のためハグリッドの小屋まで透明マントを被って行った。そして小屋をノックすると、やっとマントを脱いでハグリッドの小屋に素早く入った。

「お前ぇさん達、いったいこんな時間になんのようだ?」
「ねえハグリッド、なにそれ?」

 ロンがハグリッドが構えていた石弓を指すと、ハグリッドは慌てて石弓を体の後ろに隠した。
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