第24章 【ハーマイオニーの危機】
結局話は平行線をたどり、再び被害者が現れないかぎりハグリッドには何も聞かないと言う事で決着した。するとなぜか事態はどんどんと良い方向へと転がって行った。日は一日一日を過ぎるごとに温かくなってきたし、マンドラゴラはすくすく成長してゆき、もう少しで完全に成熟期を迎えるらしい。それに薬草学の授業では、あのアーミー・マクミランがハリーに向かって「『飛び跳ね毒キノコ』のバケツを取ってほしい」と丁寧に声をかけた。
悩みと言えば、2年生は来年から始まる選択科目の授業を決めなければならなかった。クリスは1つ『マグル学』は絶対だったし、あとは1つか2つ、好きな授業を選択すればよかった。ハーマイオニーは全科目を選択する勢いだったが、ハリーとロンとクリスは必須科目を止めたいと愚痴っていた。
「僕、魔法薬学止めたいな」
「私は薬草学だ」
「僕は闇の魔術に対する防衛術だ。あのローブを見るたび吐き気がする」
「みんな何言ってるの!!」
ハーマイオニーがまるでマクゴナガル先生と同じような口調で言った。ハーマイオニーの頭から、今にも火山が爆発しそうな怒り方だ。
「いい?この選択科目で全てが決まるの!私たちの人生の大半がこれで決まっちゃうのよ!?そんな自堕落な考え方でいいと思ってるの!?」
「闇の魔術に対する防衛術で習ったのは、ピクシー妖精の暴れさせかただけだけどね」
ロンはそう言いながら、ハリーと同じ選択科目を選んでいた。
クリスはイースター休暇中悩みに悩みぬいていた。1科目取らず、自習にまわすか。それとも授業の空きを作らず勉強に励むか。ハーマイオニーは誰からも助言を受けず、全科目を登録していた。どうやって全科目をこなすつもりか聞いてみたが、ハーマイオニーはがんとして教えてくれなかった。こうなると何だか相談しにくくなり、クリスは結局『マグル学』と『占い学』を選択した。『占い学』には星を読む授業があると言うので、天体好きのクリスにはもってこいだと思ったし、空き授業の時間を作っておけば、自分の好きな勉強ができると思ったからだ。
とうぜん、ドラコもクリスの選択科目を聞いてきたが、クリスは嘘をついてハリーやロンと一緒の『マグル学』と『闇の生物に対する飼育学』だと嘘を吐いた。これでこれ以上ドラコと同じクラスになることはない。