• テキストサイズ

ハリー・ポッターと純血の守護者

第22章 【黒い本】


「そう、その私が言っているんだ。悪い様にはしない。情報が欲しいんだよ、お前の持っているその情報が」
「ハリー・ポッターは……ハリー・ポッターは……命を狙われているのでございます!!」
「何だって!!?」

 言ってしまったが最後、ドビーはキーキー言いながら「ドビーは悪い子、ドビーは悪い子!もっともっと締め上げて下さい!!」と何度も何度も懇願した。こうなってはもうどうしようもないので、縄を解くとマルフォイ家に返しえてやった。きっと今頃はアイロンで自分の耳を焼いている頃だろう。

「う~ん……ハリーが狙われている?マグル生まれじゃなくて?」

 謎が謎を呼び、クリスの頭はもうパンク寸前だった。クリスマスに、毎年恒例である母様への献花を終えると、少し早くクリスはグワーツに戻ることにした。ハリーが襲われるとしたら、生徒の少なくなるクリスマス休暇中だとクリスは踏んだのだ。しかし、現実は違った。ジョージとフレッドから、なんとハーマイオニーが襲われたという話しを聞いた。
 クリスは心臓が握りつぶされるような思いがして、大急ぎで医務室に向かった。そしてカーテンを開けるとそこには――1匹の猫、ではなく顔が毛むくじゃらで、ピンとしたヒゲと猫の耳の生えた少女がこちらを見て固まっていた。

「えっと……ハーマオニー?」
「きゃーーーー!!」

 悲鳴を上げて、ハーマイオニーはベッドに潜り込んでしまった。ハリーとロンから聞いた話だと、ポリジュース薬に、間違えて猫の毛を入れてしまったらしい。その副作用で、こんな姿になってしまったと言うのだ。クリスはこんなハーマイオニーも可愛いと思うのだが、本人曰く「貴女ももこんな姿になれば分かるわ」とおかんむりの様子だった。
 それから毎日ハーマイオニーのお見舞いに行った。そしてお見舞いに行くたび、クリスが喉を撫でたり、耳の後ろをかいたりするので、ハーマイオニーは怒っていたけれど、しっぽは嬉しそうにピンピン立っていた。どうやら猫の習性には勝てないらしい。

 休暇を終え新学期が始まると、顔の毛も殆どなくなり、瞳も猫らしさが消えてなくなってしまったのがクリスとしては残念だったけど、本人は元気を取り戻していた。毎日でる課題を持っていくと、ハーマイオニーは嬉しそうにした。それを見て、逆にロンはげんなりしていた。
/ 294ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp