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ハリー・ポッターと純血の守護者

第22章 【黒い本】


「奥様、何事でございましょう?」
「この間作ったパイが美味しかったってクリスが言うから、あなた今から彼女の家に行って作り方を教えてきなさい」
「……はい、かしこまりました」
「おば様、お紅茶とても美味しかったです。また遊びに来させてください。いくぞ、ドビー」

 煙突飛行を使って家に着いた途端、ドビーは廊下を走り回った。

「ドビーは良い屋敷しもべでございます。何も言わないのでございます!」
「と、言う事は、これから何を聞かれるのか分かっているってことだな?チャンドラー、ドビーを縛り上げろ!」

 ここからが大変なのだ。相手は消えたり現れたり、現れたかと思ったらまた消えたり。ものを飛ばしたり落っことしたり、とにかくやりたい放題。これが通常時だったら数百万ガリオンする壺や皿壊されるのだが、今は魔法省のお仕事のおかげで隠されているので、割られる心配はない。

「チャンドラー、あと1時間のうちに捕まえないとお前も同じ目にあうぞ」

 こうやって脅しをかけないといつまでたっても終わらない。そしてようやくあと10分というところでドビーが捕まった。チャンドラー、意地の勝利である。

「ドビーは良い屋敷しもべでございます!何も言わないのでございます!!」
「何だかそういわれると、こっちが悪い人間みたいじゃないか。ええ?ハリーを9と4/3番線に入れないようにしたり、ブラっジャーで殺しかけたり。お前の方が悪いだろ」
「それは仕方がないのでございます。ハリー・ポッターを助けるためでございます」
「さて、それがどうしてハリーを助けるためになるのかな?」
「……それは……それは」
「チャンドラー、もっときつく縛り上げていいぞー」
「言わないので御座いいます!ハリー・ポッターを助けるためで御座います」
「なあドビー、昔はよくハリー・ポッター談義で熱く語ったよなあ。ハリーの特集がされている雑誌が発売したら、こっそりお前にも読ませたり、切り抜きを集めたり……」
「そうで御座います……あなた様はハリー・ポッターをこよなく尊敬されておりました」

 ドビーはその大きな目玉にうるうると涙を浮かべた。こうなったら感情論に訴えるのみ!
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