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ハリー・ポッターと純血の守護者

第20章 【パーセルマウス】


「大した演説を聞かせてもらったよ、アーニー・マクミラン。私の親友を貶すとは、大した度胸だな」
「……クリス……グレイン」
「ハリーが悪の魔法使い?そういう噂は聞いたことがあるが、大抵言っていたのは同じ純血主義の悪の魔法使いだったよ。もしかして、お前の家系もその1つなんじゃないか?」
「ま、待てよ!もしかして、お前もパーセルマウスだって言いう可能性もあるんだぞ!あの時ジャスティンに近づこうとしたのを見たって言う奴がいるんだ!!お前こそ例の後継者なんじゃ……」
「私が例の後継者?それは良いな。それならこの場にいる全員始末してやれるのに」

 クリスはわざとペロリと、赤い舌で唇を舐めた。それが異様なほど様になっているので、その場にいた全員が凍り付いたように身を固めた。

「これからは戸締りに気を付けることだな。さもなければ、その首筋に毒蛇が襲い掛かるぞ」

 それだけ言って、クリスはローブを翻して図書館を後にした。それにしても、あのアーニー・マクミランとかいう馬鹿はどこに目をつけているのか。ハリーは2度も『例のあの人』を打ち負かせた英雄だぞ。それを例の後継者あつかいするだなんて。それにハリーの母親はマグル出身だ、どんな間違いが起こったって悪の魔法使いになんてなるはずがない。
 クリスはむかむかしながら廊下を歩いた。すると前の方から、噂のジャスティン・フィンチ・フレッチリーが向かってきたではないか。クリスは口の端をニヤリと上げながら彼に近づいた。

「やあ、ジャスティン。君の馬鹿なご友人が、ハリーに会わぬよう、ベッドの中で震えて隠れているようご忠告をしていたようだが、聞いていなかったのかい?」
「な、なんでそのことを?!」
「いや、たまたま耳にしただけだよ。図書館の隅でネズミみたいにひそひそ身を寄せ合って、ハリーが例の後継者なんじゃないかって話しているのを」

 ジャスティンは二の句が継げぬように、口をパクパクしていた。顔面蒼白で、まるでクリスの事を悪魔の仲間とでも思っているようだった。言い訳も思いつかないジャスティンに、クリスは去り際にぽんと肩を叩いた。

「ま、気を付けることだな。ハリーを敵に回すと言う事は、私も敵に回すと言う事だからな」
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