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ハリー・ポッターと純血の守護者

第20章 【パーセルマウス】


 翌日、せっかくハッフルパフとの合同授業だったというのに、大雪で休講になってしまった。ハーマイオニーはロンとチェスをすると言うので、独り暇を持て余していたクリスは図書館に返し忘れた本があることを思い出し、図書館へ向かうことにした。
 クリスの趣味である『役に立たなさそうな本』を本棚に戻そうとしたとき、ハリーが図書館に入ってくるのが見えた。どうやらジャスティンを探して図書館に来たらしい。そういえばハッフルパフ生が図書館の奥で何やら集まっているのを思い出したクリスは、ハリーにそれを教えてあげた。

「それ本当?」
「ああ、ジャスティンがいたかどうかは知らないけどな」
「ありがとう。それってどこのテーブル?」
「こっちだよ、案内する」

 クリスとハリーがハッフルパフ生のいたテーブルに近づくと、何やら不穏な空気が漂っていることに気が付いた。教科書が開かれてはいるが、みんな勉強しているという雰囲気でない。額を近づけあって、何やらこそこそと噂話をしているようだ。クリスとハリーはその話を聞こうと、一番近い本棚に身をひそめた。

「だからさ、俺ジャスティンに言ってやったんだよ。自分の部屋にこもってろって。あいつバカだから、ポッターに自分がマグル出身だって口を滑らせたんだ。ポッターが次の獲物を狙ってるとしたら、間違いなくあいつだぜ」
「それじゃあアーニー、あなた例の継承者がポッターだと思ってるの?」
「間違いないさ、あいつはパーセルマウスだぜ?それが闇の魔法使いの印だって皆知ってる。何しろスリザリンの事を皆が『蛇舌』って呼んでたくらいなんだ」

 アーニーの話を聞いて、小さなざわめきが起こった。恐ろしいものほど興味がわくのは人間の性なのか、ハッフルパフ生はもっと身を寄せ合ってコソコソと小さい声で話を再開した。

「壁に書かれた言葉を覚えてるか?『継承者の敵よ、気をつけよ』だ。ポッターはフィルチと何かごたごたがあったんだ、その後、ミセス・ノリスがやられた。その次のコリンとか言う奴は、クディッチの試合でポッターが怪我を負ってる所を写真に撮りまくって嫌われていた。そしてその晩、コリンがやられた」
「でもポッターって、『例のあの人』を倒した人でしょう?そんな人が例の継承者なんてことありえるの?」
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