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ハリー・ポッターと純血の守護者

第19章 【決闘クラブ】


 満面の笑みを浮かべるロックハートの隣で、これ以上無いって言うほど不機嫌をあらわにしているスネイプ。こんなスネイプの隣で、よく笑っていられると、そこだけはロックハートの事を賞賛したくなった。
 ロックハートとスネイプは向かい合って一礼した。と言ってもロックハートの方は格好つけながら大げさな礼をし、スネイプは無表情にグイッと頭を下げただけだった。そして両者杖を剣のようにかまえた。

「これが魔法使いの決闘の作法です」

 全員が注目する中、ロックハートが答えた。

「そして1、2、3で術をかけます。大丈夫、相手を傷つけはしません。――1、2、3――」
「――エクスペリアームズ!」

 スネイプの杖の先から、赤い光線が走ったかと思うと、ロックハートはまるで人形のように舞台の上から吹っ飛び、壁に激突してズルズルと滑り落ち、無様に床に大の字になった。その様を、スリザリン生と一部の男子、そしてクリスも指をさしてゲラゲラ笑った。心配そうにしているのはハーマイオニーを初めとする女子たちと、一部の男子だけだ。

「先生、大丈夫かしら?」
「「「大丈夫じゃない事を願うね!」」」

 ハリー、ロン、クリスの3人の声がそろって答えた。ロックハートはよろよろと立ち上がり、カールの乱れた髪の毛を手櫛で直した。

「ええ、皆さん。良く見えましたか?これが武装解除の呪文です。1番初めに見せるには、とてもポピュラーな魔法でしたね。しかし、少々見え透いた感がありました。止めようと思えば幾らでも止められた魔法でしたが、効果を見せるのが生徒には一番だと思いましてね」

 チラリとスネイプの方を見ると、スネイプがもう一度魔法をかけてやろうかと臨戦態勢に入っていたので、ロックハートは慌てて模範演技を終了し、生徒を2人一組に組ませた。
みんなそれぞれ仲の良い子と組を作った。ハリーはロンと組を作り、クリスは当然ハーマイオニーと組を作った。そしてさあ始めようと杖をかまえた瞬間、4人の前に冷たい微笑を浮べたスネイプが立っていた。

「さて、仲良しごっこは終わりの時間だ」

 スネイプはロンのローブの首根っこを掴むと、近くにいたシェーマスの隣に引きずっていった。そしてディーンとネビルを組ませると、今度はハーマイオニーを、スリザリンのミス・ブルストロードというゴリラのようないかつい女と組ませた。
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