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ハリー・ポッターと純血の守護者

第18章 【嘲笑う者】


「それに皆忘れてないか?私の父親とドラコの父親はホグワーツ時代からの親友同士だ。まさか親友の娘を殺しはしないだろ?」
「……でも」
「安心しろ、深追いはしないから。まあ悪くて記憶を改ざんされる程度だから」

 このどこから沸いてくるか分からない楽観主義が一番心配なんだと、3人は思った。と、丁度ここで朝食の終わる鐘が鳴り、4人はマートルのトイレからひそひそとでて来た。そして「まるで何もしていませんでしたよ」と言わんばかりに4人で廊下を歩いていると、これまた待っていましたと言わんばかりに、クラップとゴイルをつれたドラコが現れた。

「やあ、クリス」
「うわ、出た」

 高揚しているドラコとは打って変わって、クリスはフィルチに出会ったときと同じ顔をした。それを見て、ドラコは不満そうな顔をした。

「なんだいその顔、この間は僕だけが心の友だって言っていたくせに」
「あいにく私にはそんな覚えはないな」
「君の頭はピーマンで出来ているのかい?」
「はっはっは、腐ったみかんで出来ているお前には負けるよ」

 いつもどおり嫌味の言い合いで始まる挨拶に、周りの人間は一斉にため息をついた。これでお互いコミュニケーションをとっているのだから、理解出来ない。暫くこんなやり取りが続いた後、突然ドラコがクリスの腕を取った。

「ここじゃろくな会話が出来ないな、場所を変えよう」
「待て、クリスをどこに連れて行く気だ!」
「おやおやポッター、またクリスのナイト気取りかい?残念だけど、君と僕とじゃ立場が違うんでね」
「どういう意味だ!?」
「分からないのかい?選ばれし者と、そうでない者、さ」

 そう言うと、ドラコはクリスの腕を掴んでどんどん人気のないところへ連れて行った。そして城の裏手にクリスを連れて来ると、満面の笑みでクリスの顔を見た。

「ついにやったな、クリス。おめでとう!」
「やったっ……て、何が?」
「とぼけるなよ!あのコリン・クリービーのことさ。ついに穢れた血に手を出したんだな」
「……どう言う事だ?」

 クリスには、ドラコの言わんとしている事が分からなかった。コリンに手を出した?私が?相手が純潔ではないという、ただそれだけの理由で?クリスは一瞬眩暈がした。
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