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ハリー・ポッターと純血の守護者

第18章 【嘲笑う者】


 しかし……なにかが決定的に足りない気がする。まず、どうしてスリザリンが残した『秘密の部屋』の場所を、スリザリン家の末裔と言われるグレイン家ではなく、マルフォイ家が握っているのか。それに『秘密の部屋』にある恐怖とは一体なんなのか。それが分からない以上、首を縦に振る気にはなれなかった。
 それに――3人には甘いと言われようが、生まれたときから一緒に過ごして来た幼馴染を、人を傷つけて喜ぶような人間だとも思いたくなかった。

「問題は……万が一ドラコが真の継承者なら、どうやってミセス・ノリスやコリンを襲ったか、だ。ミセス・ノリスが襲われたハロウィーンの日は、あいつは大広間にいたはずだし、コリンが襲われたのは真夜中だ。先生達が見回りをしている最中を見つからずに襲ったとは到底思えない」
「何か姿が見えなくなるものとか持ってるんじゃないか?それとも、何かに変身するものとか。あいつの父親ならそういう悪どそうなもの、うじゃうじゃ持ってそうじゃないか」

 確かに、マルフォイ家を隅々探せば、そう言った類のものが出てくるかもしれない。それが今回の魔法省の摘発と一緒に世に出て来たとすれば、説明が付かなくもない。考えあぐねた結果、クリスはうんとうなずいた。

「よし、こうしよう。3人はポリジュース薬を完成させてドラコから情報を聞き出してくれ。私は、直接マルフォイ家のほうを当たってみる」

 クリスの決心に、3人から待ったがかかった。

「危険すぎるよ、あいつ今年のクリスマスは帰らないって言ってるんだよ?屋敷で何をやっているか分からない!ますます怪しいじゃないか!!」
「それならそっちも一緒だろ?寧ろ敵はホグワーツ内にいるんだ。私としては3人ともホグワーツから離れて欲しいくらいだけどな」

 4人の中で、純潔主義の家に生まれたのはクリスだけだ。と言う事は、一番安全なのもクリスということになる。一番危ないのはハーマイオニーだ、出来れば彼女は無理にでも家に帰したいけれど、彼女は彼女でポリジュース薬を完成させるまでホグワーツを離れない気でいる。
 皆が自分の身を危険にさらしているのに、己だけ安全なところにいる気にはなれない。
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