• テキストサイズ

ハリー・ポッターと純血の守護者

第18章 【嘲笑う者】


「間違いないよ、僕が何か言う度、そこらじゅうの物に頭を打ち付けて大変だったんだから」
「ああ、それは間違いないな。でも、どうしてドビーがハリーの所に?」
「それが分かったら苦労しないよ。ドビーったら話が肝心なところに行くといつも頭をぶつけて話そうとしないんだもん。ただ僕の身を守るため、家に帰すために9と4/3番線を封鎖したり、ブラッジャーを混乱させたりしたらしい。大怪我でもすれば、家に帰されると思ったらしいよ。そうすれば、再び開かれた『秘密の部屋』に、僕が関わる事がないからって」
「秘密の部屋っ!!?」

 あまりの大声に、クリスは自分でもびっくりして口に手を当てた。すると部屋の奥からマダム・ポンフリーの視線が突き刺さり、これ以上ここでこの話をするのはマズイと思った2人は、ハリーが残った朝食を無理やり詰め込むとハーマイオニー達の待つマートルのトイレに駆け込んだ。
 肩で息をする2人に、ロンが驚いて尋ねた。

「どうしたんだよ、2人とも。薬はまだ出来ちゃいないぜ」
「そうじゃないんだ」

 ハリーは夜中の出来事をロンとハーマイオニーにも話した。秘密の部屋のくだりになると、流石のハーマイオニーでさえ鍋のことを忘れてぽかんとしていた。

「それじゃあ、『秘密の部屋』は本当にあるのね?」
「うん、それだけじゃあない。以前にも開かれたことがあるらしいんだ」
「よし、これで決まったな!!」

 ロンは自信満々に言った。

「マルフォイの父親が学生だった頃に、『秘密の部屋』が開かれたに違いない。そしてそれを愛するわが子に伝えたんだ。しかしそれを知ったマルフォイ家の屋敷しもべ妖精が、マルフォイの宿敵でもある我らがハリーに、襲わせないようあの手この手を尽くしたんだ」
「ちょっと待って、それならどうして犠牲者がミセス・ノリスやコリンなの?」
「ちょっとした腕慣らしでもしたかったんじゃないか?どうだいクリス、これでもまだマルフォイは白だっていうのかい?」

 そう言われて、クリスは戸惑った。ドビーさえ出てこなければ、まだ反論の余地があるものの、マルフォイ家の屋敷しもべ妖精がハリーのもとを尋ねたとあれば、ドラコが鍵を握っている可能性は十分にある。
/ 294ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp