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ハリー・ポッターと純血の守護者

第16章 【小さな大冒険】


「ねえ、クリスの家ってどこ?この辺りじゃないよね?」
「うん、スコットランドの……森の中」
「スコットランド!?じゃあどうしてロンドンまで来たの?」
「と、父さまのお仕事で、いっしょに」
「父さま?すっげー、パパの事そんな風に呼んでるやつはじめて見た」
「ひょっとして、クリスのお家ってお金持ちなの?」
「……ううん」

 話せば話すほど、クリスは自分が皆と住む世界が違うのだと思い、意気消沈していった。そんなクリスを見て、ロイドが大きな声で言った。

「いいだろ、そんなのどうでも。それよりさっきの続きやろうぜ」

 ロイドの言葉に、再びクリスの気分が上昇していった。ロイドの言葉はまるで魔法のように皆の心を変えてしまう。さっきまで夢中でクリスに質問していた仲間達も、「それもそうだな」と再び鬼ごっこが始まった。
 クリスは茂みの中に身を隠した。すると隣にロイドがやってきた。

「へへっ、お前といっしょならばれないだろ?」
「ロイド……」
「なあ、お前いつまでロンドンにいるんだ?オレ達明日もここで遊んでるから、良かったらこいよ」
「うんっ!」

 かくれんぼの最中だというのに、クリスはついうっかり大きく頷いてしまった。それに気づいたのか、鬼のコレットがこちらにやって来た。

「やばい、見つかったか?」
「ロイド、こっちこっち」

 クリスが足音も立てずにゆっくりとその場所を離れると、それに習うようにロイドもゆっくりと後を追ってきた。そして斜面になっている場所に身を隠してコレットの様子を伺うと、コレットはさっきまでクリス達がいた茂みの周辺を探し、誰もいないと分かるとどこかへ行ってしまった。

「あぶねー、もうちょっとで見つかるところだった」
「ロイド、あのね……ありがとね」
「ん?なにが?」
「私と、友達になってくれて」
「なんだよそれ、へんなやつ」
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