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ハリー・ポッターと純血の守護者

第16章 【小さな大冒険】


「ああ、クリスって言うんだ。さっきそこで友達になった。なあ、クリスも仲間に入れていいだろ?」
「どうせお前のことなんだから、ダメって言ったって仲間に入れるんだろ?」
「よく分かってんじゃん。っつーわけで、早くみんなの所に行こうぜ」

 そう言うとロイドは先頭を切って走り出した。ハロルドもそれに続き、クリスは事の展開についていけず、置いて行かれないよう懸命に走った。雑木林を抜け、再び眩しい太陽の下に出ると、ベンチの周りにロイド達と同じような少年少女がそれぞれ暇をもてあましながら立っていた。

「おーい、ハロルド見つけてきたぞー!!」
「ええっ!もう?」
「ロイドが鬼やると、すぐ見つけちゃうからつまんないんだよ~」
「へっへっへ!これがオレ様の“じつりき”ってやつよ」

 自慢そうに笑うロイドの後ろに、クリスは身を隠すように隠れていた。こんなに多くマグルの子供たちに会うのは初めてだ。身の置き場がなくもじもじしていると、ロイドが手を握って輪の中に入れてくれた。

「こいつクリスって言うんだ。なあ、こいつも仲間に入れていいだろ?」

 クリスは緊張で顔が真っ赤になったが、勇気を振り絞って自己紹介をした。

「クリス……クリス・グレインです。どうぞよろしくおねがいします」
「そんなに硬くなるなよ、みんないいやつばかりだから」

 ロイドはクリスの背中をぽんとたたくと、右から順番に名前を教えていってくれた。

「こいつがエドガーだろ、そんでその背の高いのがジョニー、その妹のコレットに、さっき見つけたハロルド。だいたいいつもこのメンバーで遊んでるんだ。なあ、クリスも仲間に入れていいだろ?」

 どうやらこのメンバーの中ではロイドがリーダー格の様で、みんなロイドが言うなら仕方がないという顔をしていた。もしかしたらこの調子で、どんどん仲間が増えていったのかも知れない。ロイドの屈託のない笑顔には、人を惹きつける力があった。

「それじゃあ鬼はエドガーからだな」
「クリスが入ったんだから、ぼくとクリスでじゃんけんだよ」
「ええ~、いいじゃん面倒くせぇ」
「良いよ。やろ、じゃんけん」
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