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ハリー・ポッターと純血の守護者

第13章 【トイレのマートルさん】


「ここは女子トイレよ。後ろの3人とも、女の子じゃないわ」

 その一言に、クリスはカチンと来た。いくら寒くてローブの前をしっかり留めているからといって、男に間違われるのは勘弁ならない。クリスは勢い良くローブの前を開けると女子制服が良く見えるように先頭に立って胸を張った。

「私は女だ、この腐れゴースト!あの世に行きたくなかったら今の言葉を撤回するんだな!!」
「そっ、そう言えばクリスの紹介がまだだったわよね!!こちらクリス・グレイン。私のお友達よ!!」

 クリスの言葉をかき消すように、ハーマイオニーが明るく大きな声で紹介した。その隣では今にも暴れんばかりのクリスをハリーとロンが押さえつけている。マートルはクリスを良く見ようと眼鏡をかけなおした。

「なんだ、あんた女の子だったの。クラウス・グレインによく似てるから男の子かと思った」
「父様を知っているのか!?」
「あんたの父親だけじゃないわ、その父親も知ってる。どっちもスリザリン寮で、陰険で、威張りくさってた」
「貴様、言いたい事はそれだけか?」

 クリスの怒りのボルテージがMAXになる前に、ロンがクリスの口を封じると後ろの壁ギリギリまで引張っていった。この数秒で分かった事、それはクリスとマートルの相性が最悪で話しが前に進まないことだ。ロンの長い腕がガッチリクリスを取り押さえたのを確認すると、ハリーが事件当時ここで何があったのか聞いて欲しいとハーマイオニーに耳打ちした。たったそれだけなのに、それを見ていたマートルが今にも泣き出さんばかりに顔をゆがめた。

「そこっ、何こそこそしてるの!?」
「何でもないわ、私達聞きたいことが――」
「噓よ!どうせ私の悪口を言ってたんでしょう!!」

 それまでパイプの上に座っていたマートルが、スーッとハリーとハーマイオニーに近づいてきて、その後ろにいるクリスを指差した。

「そこにいる女もそう!威張りくさって、皆で私の陰口をたたいては苛めてくる。生きてる間中ずっとそうだった、死んでからもそう!皆して私を苛めて――」
「私達、誰もあなたを苛めてなんていないわ」
「そうだよ、僕達君に聞きたいことがあって来ただけなんだ!」
「何よっ!?聞きたいことって!?」
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