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ハリー・ポッターと純血の守護者

第11章 【真夜中の尋問】


 それまで遠巻きにやり取りを見ていたスネイプが、突然口を出してきた。4人の間に緊張が走る。スネイプはハリーを冷ややかな目で見つめるとゆっくりと近づいてきた。

「もしかしたら、ポッター達は運悪くその場に居合わせただけかもしれません」

 その言葉に、4人は痛くなるほど勢い良く首を縦に振った。スネイプにしてはなんてまともな事を言うんだろう。と思った次の瞬間、スネイプはやはりスネイプだと言わざるを得ないハリー達の痛いところをついてきた。

「だがそうなると不可解な部分が出てきます。連中は何故3階の廊下にいたのか。ミス・グレイン以外は何故ハロウィーンパーティに出ていなかったのか」
「それは、ニックの絶命日パーティに出ていたからです。たくさんのゴーストたちもいましたから、証人になってくれるはずです」
「それでは何故その後ハロウィーンパーティには来なかったのかね、何故3階の廊下にいた」

 その質問に、ハリーは言いよどんだ。見る見るうちに顔が真っ青になり、手が微かに震えている。間違いなく、ハリーは何か隠している。だが何を隠しているのだろう、その理由を知らないクリスはただハリーを見つめる他なかった。何もいえなくなったハリーの代わりに、ハーマイオニーがとっさに機転を利かせた。

「私達、疲れていたので先に部屋に戻ろうと思ったんです」
「ほう、食事も碌にとらずにか?ゴーストたちのパーティでは食べられるものも碌に出なかっただろう。大広間には沢山の食べ物があったはずだが?」
「僕達、お腹がすいていませんでした」

 ロンがそういった途端、ロンの胃袋が地響きのような音を立てた。クリスは目立たぬよう踵でロンの足を踏みにじると、ロンの悲鳴と腹の音をかき消すようにはっきりとした声で答えた。

「私が3人に食事を持って帰る約束をしたんです。それは傍にいたドラコも見ています」

 半分は嘘だが、半分は嘘ではない。約束こそしていないが、クリスは確かに3人分の食料を確保して談話室に戻ったし、その様子はドラコも見ている。クリスは心の奥底まで見破ろうとするスネイプの目を、果敢に見つめ返した。この場でひいては全てスネイプの手のひらの上で踊らされてしまうことになる。それだけは避けたいクリスは苦手なスネイプの目の奥をジッと見つめた。
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