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晴のち雨のちキス【実l況l者/短編集】

第21章 Starting Over/ky


「は、はい…?」

「やっぱさ、こーゆーのって俺からしたいし」

はにかみながらも満足気なキヨ

もしかして
もしかして…!?

「キヨって…私のこと好き、なの…?」

「はあ?好きじゃなかったらこんなことしねえだろ。
それに部屋になんか呼ばねえ」

なんだよ、と髪をくしゃくしゃと掻きむしりながらちょっと不貞腐れたご様子

なんだこの逆転ホームランみたいな展開は

「何それ…そんなのわかるわけないじゃん!」

「なんでキレんだよ。
大体、お前がキスなんかしてくるから俺もしたくなったんじゃん」

「わ、私のせい…?」

もう喜んでいいのか怒っていいのかわかんない

もうめちゃくちゃだよ、キヨ

「…ゆっくり距離詰めていきたかったのに、俺すげえ焦って。
そもそもそーゆーのは男からしねえとカッコ付かねえし」

なんだその自論は
まあ、キヨの主張はなんとなくわかった

頃合いを見て自分からする筈だったキスを私からしたせいで、したい気持ちが抑えられなくなって
一ヶ月考えた結果、私からのキスはなかったことにして自分からすれば、体裁を保つことができると

なるほど…奥手だという私の推測はあながち間違ってはいなかったというわけか…

て、論点はそこじゃなくて!

「キヨはなんで…そんなことに拘んの?」

「そんなの!
…お前の前ではカッコ付けたいじゃん…」

もうなんなの

そんなこと言われたら
好きになる以外に選択肢がないんだけど…


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