第18章 悪癖／rtrt

レトさんの両頬を挟む形で静止すると、少し不満そうな顔

流石にこんなに連続だと呼吸困難になりそう
せめて少し休憩がほしい…な

チラリとレトさんを見上げてみると
目の奥が鋭く光り、私を射抜く

あ、その目……

背筋にゾクリとしたものが走り
心拍数が徐々に上がってくる

「…もう止める？」

口の端をクイッと上げて
私を煽ってくる表情

答えなんてわかってるくせに

そんな風にしたのは
レトさんのくせに

でもどんなに心の中で悪態をついたって、身体は正直で、次を期待している自分がいる

躊躇いながらもふるふると首を振ってみせると、レトさんが満足気に笑う

「じゃあちゃんとおねだりしてや？」

「…う…ん…」

「ちゃんと教えたようにできるよね？」

言い淀む私を前に、レトさんは姿勢を崩さない
声色は優しいし、笑顔なのに、
その目から逸らすことができない

「つばさ？」

わざとらしく耳元で息を吹きかけるように囁かれる

それが合図かのように

全身が燃えるように熱くなって
羞恥心さえも簡単に捨られそうになる


…欲しい

レトさんが欲しい

攻めて欲しい


「…キスで……
犯してください…」

「よくできました。」

後頭部に回る手の平に引き寄せられれば、自分から口を開く

生暖かい舌が触れ合うと、ピクリと体が跳ね上がる

絡まり合っていくそれに、身体も脳も溶けていくほど気持ち良くて

こんな風に躾けられて
だめだって思っているのに

もっと刻み付けて欲しくなる

癖になっていく