第14章 鍋奉行 牛様/uszw
ポカンと見つめる先には、溶き卵にうどんを浸けて、美味しそうに頬張るお奉行様の姿
「つばさも食えば?
伸びるよ?」
「ん、え…?卵…は?」
「んー、なくてもいいよ。」
?!?!?!
な く て も い い よ……?
混乱する頭に、時折聞こえるズズズッとうどんをすする音がこだまする
………
………
…牛様……
私…もう…
…お腹、いっぱい ……
楽だと思ってた鍋が
こんなに大変だったとは…
疲れがドッと押し寄せてきて
なんかもう寝たい気分
まぁうどん食べたけどさ
美味しかったけどさ
もう二度としないよ、うっしーに鍋料理は
片付けも終わって、ソファでテレビを観てるうっしーの隣に座る
「お疲れ、美味しかったよー、ありがとな。」
そう言って抱き寄せられる体
「つばさ…?」
熱っぽい瞳が近付いてくる
いつもなら、その目にヤラれちゃうんだけど…
腰に回された手を優しく解いて、さらりとかわす
うっしーはあれ?って表情してるけど
ごめん
今はまだ
私の目には
ちょんまげに裃姿の鍋奉行 牛様にしか見えませんから!