第7章 LOVE LETTER/rtrt
「え、え?ど、どうしたんですか?」
「夜分にすみません、
つばささんにお届けものがあって…!」
玄関のドアを急いで開けると
そこには郵便屋さんのレトルトさん、ではなく
私服のレトルトさん
「あの、突然すみません。
これ…。」
と差し出されたのは、一通の手紙
「あの、俺、言葉にするの苦手で…
今、読んでもらえたら…。」
封筒を開け、手紙を読む
「…え、…嘘……。」
そこに書かれていたのは数ヶ月のこと
『あの日わざとキスしました』
思考が追いつかず、レトルトさんを見ると優しく笑っていて
「あ、すみません…俺、
緊張したり真面目な時、なぜか笑っちゃうんです…。
だから手紙にした方が伝わると思って。」
と、緩んだ頬を元に戻すかのように片頬をつねっている
「その証拠に…」
私の手を握り、レトルトさんの胸へと手を当てられる
一緒に重ねられた手は熱く
伝わる心臓の音は速い
「最後の配達の時、本当のこと言おうと思ってたんですけど、あの時つばささん絶対誤解してたから…、このまま伝えてもダメやと思って…。
全部、本気ですから!」
…じゃああの時のキスも
異動を告げた時の笑顔も
今、笑っているのも…?!
ようやく理解した頭はパンク寸前で
体中の熱が一気に上がるのを感じる
「…つばささん、真っ赤。」
「だ、だってこんなことって…。」
夢ですか?!ドッキリですか?!
とつい言いたくなるほど
ひとまず深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる
私からは言葉で伝えたい
「あのっ!よろしくお願いします!!」
「!!!
最後まで読んでくれたんですか…?」
「はい!」
「…つばささん、俺、絶対大切にします。」
そう言ったレトルトさんは今までにない笑顔で、私を優しく抱きしめた
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『初めて会った時からずっと
つばささんのことが、好きです。
俺と、付き合ってください。』
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