第12章 ROCK YOU M×N
同い年っていう存在は、やっぱり気になるもので。
二宮和也…ニノには、ライバル意識もあったりした。
それはいい意味で、だ。
ニノと俺は元々持ち味も違うし、寧ろ…尊敬してる面が多々あったからだと思う。
でなければ、こんなに惹かれることはなかったかもしれない。
いつからだろう…
ニノを目で追っていくうちに、仲間ってだけじゃない感情が生まれたのは。
少年から青年へと共に成長していく中で、お互いに声変わりもした。
綺麗な高音で抑揚のあるニノの歌声は、いつまでも聴いていたくなるくらい俺の胸を打つ。
照れた時とか分かりやすいほど紅潮する白い肌や、ふとした拍子にみせる色気に、俺の心拍数はグングン上がっていく。
奏でる音は情熱的なのに、弦に触れる手はハンバーグみたいに可愛いくて。
俺はこんなにも魅了されてるんだなって思う。
「ねぇ、ニノ」
「ん、何?潤くん」
ニノはファンの前では俺のこと“J”って呼ぶくせに、楽屋にいる時は“潤くん”って呼ぶ。
きっと周りの人からしたら“J”が特別だと思ってるかもしれないけど、俺にとっては“潤くん”のほうが断然嬉しかったりする。
「ホント、ゲームが好きなんだね」
「うん、好き」
その“好き”が俺に向けられたものじゃないことはわかってるのに、ドキリとして。
動揺した俺は
「良かったね」
なんて、訳の分からない返事をしてしまうんだ。
「え?良かったね?…ふふっ。変な潤くん」
ゲームに視線を向けたままの会話にも、もう慣れたけど…
チラッとでもいいからさ、俺を見て言ってくれてもいいんじゃない?
なんて。
ニノが相手だと、俺はどうも恥ずかしくて言えないんだ。