第11章 Troublemaker A×N
「だからぁ、ごめんって」
間違いに気づいた相葉さんが楽屋に入るなり、頭をペコペコさせて俺に謝ってきた。
「もう謝らなくていいです」
「ニノぉ。本当にごめんね。かざぽんには日中にメールを送るつもりでいたんだからぁ」
「はいはい。送信先の相手と時間を間違えたのはもうわかりました。それに、何で相葉さんが泣きそうになってるんですか。泣きたいのはこっちです」
「そんなこと言うなよぉ」
「…じゃあ、ぎゅってしてください」
「えっ?こ、こう…?」
相葉さんが遠慮がちに俺の背中に腕を回した。
「もっとぎゅってしてください」
「う、うん」
密着度が増して、ポスン…と俺の頬が相葉さんの胸につく。
相葉さんの鼓動…早くない?
「相葉さん、倒れないでくださいね」
「えっ?倒れる?倒れる、倒れる…こう、かな?」
「うわっ」
ドサッ…
「ちょ、ちょっと。何してんだよ」
「だってニノが言ったじゃん」
「ソファーに押し倒してなんて、ひとことも言ってないし」
「俺、また間違えちゃったみたいだね…。本当にごめんね」
シュン…としながら退こうとするから、今度は俺が相葉さんの背中に腕を回して引き止めた。