第1章 明日に向かって N×S
「これ、違うじゃん…」
2日ぶりにポストを開けると、別の部屋の郵便物が1通混ざっていた。
「えっと…401、401…あった」
その部屋のポストを見つけ、投函してあげようとしたまさにその時…
「おい、お前」
背中越しに低音ハスキーボイスで声が掛かりビクッとした。
「お前だよ、お前」
その言い方…威圧感があって、なんか…怖いな…。
「おい、そこの黄色」
やっぱり僕のことだよな…黄色いTシャツだもんな、今着てるの。
「はい…なんでしょうか…」
意を決して恐る恐る振り返ってみる。
そこには明るい髪で左耳にピアスの…
「うわっ、美人」
「美人って何だよ。男だよ、男」
そう、美人な男がいたんだ。