第1章 明日に向かって N×S
「そろそろさ、これ脱がない?」
「えっ…脱ぐ…」
「ゲームも終わったし…ん?翔ちゃん?」
「そ、そう。着替え…」
「翔ちゃん顔真っ赤だけど、もしかして変なこと想像…」
「ち、違っ…」
「そうかなぁ」
「カズさんのバカ」
翔ちゃんは俯いてしまった。
…ちょっとからかいすぎたかな。
「翔ちゃん…」
そっと抱きしめたけど、嫌がる様子はなくてホッとした。
「カズさん」
暫くそうしていると、翔ちゃんが話し始めた。
「俺は大学生だからさ、これから大事な時期になってくるけど…傍にいてくれる…?」
「うん、傍にるよ」
「会う時間や連絡があまりとれなくなっても…?」
翔ちゃんの切ない声が胸に染みてくる。
「一生そうだったらイヤだけど、そうじゃないなら大丈夫だから」
「カズさん…ありがとう」
僕たちは結局オーバーオール姿のまま、ソファーで抱きあってキスをして。
顔を見合わせてはキスをして…甘いキスを何度も繰り返した。
「若い翔ちゃんのために、体力つけないとなぁ…」
「そのままでもいいのに」
「なんで?」
「息切れしてるカズさん、色っぽいから」
「…バカ」
腕の中にいる愛しい温もりを僕はギュウッと抱きしめた。
END