rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第34章 wrong step on the stairs8
「あ…っ…、ア……っい…く――ッ!!」
「んッ…――ハッ……この底なしビッチ……。オレもか…、んん……」
シャワーコックを握り、向きを少し変え、シルバーは名無しに改めてキスをした。
揃いのほろ苦いコーヒーの香りが無駄に情緒を漂わせる。
舌が触れあう心地よさもまた、変わらずたまらないものがあった。
名無しは壁際に背を付けさせられると、浴室でそのままシルバーに抱かれた。
起きたばかり、そして言えはしないけれど、ナッシュに迫られて昂ぶっていた身体は熱く、内側もまた同様に熱がこもっていた。
キスだけで名無しが濡れると、興奮して勃起したそれを、シルバーはすぐに挿れようとした。
すんなり挿入ったのは、昨夜散々抱かれていたというのも理由にあった。
けれど一番は、名無しが彼を欲しいと感じたかどうかが大きかった。
受け入れて、すぐにでも忘れたいと願っていたから。
ナッシュに押し倒された恐怖を、シルバーに制されることで、その記憶を塗り替えたかったから――。