rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第32章 wrong step on the stairs6
「やめ……んんっ」
「ん……フッ…苦いな。まあ当たり前か……おまえ、シルバーと気が合うだろう…あいつも好きでよく飲んでるからな」
「ッ……そんなの…誰だって飲……」
「生憎オレは好きじゃねえよ……まあ、煙草くせえ女よりはまだマシかもな。――なあ名無し……シャワー行く前にヤラせろよ」
「!や……っ」
ナッシュはシルバーが浴室に向かうと同時、自身もソファから立ち上がった。
そのまま出入り口に歩む素振りを見せ、間もなくシャワーの流水音が聞こえると、立ち止まりその場を振り返った。
そして先刻から変わらない嘲笑じみた顔つきで名無しを見やり、ベッドに座っていた彼女の傍に膝をつくと、腕をとって組み敷いた。
顔を近付ければコーヒーの香り、けれどどこかいやらしい匂いも漂っている。
ナッシュは名無しに口付けながら割り入れた舌を何度も捏ね繰り、早朝より湿った空気を部屋のなかに作った。