rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第31章 wrong step on the stairs5
「ッ……、ぁ…」
「はぁ……フッ……何処に寝かせてもイイよな…おまえは」
「、……」
「……なあ…おまえこのままよォ……――」
「っ……、え……?」
「……」
それは数分後、移動してからのことだ。
体力にも、己にも絶対的な自信があり、強欲で傲慢な男が、自分の上で紅潮した顔色を窺わせている。
ふと、ソファに来てから見上げたシルバーの表情の僅かな変化に、名無しは快楽に溺れながら気付いていた。
「……?」
「……ハァ…」
が、まさかここまでの行為に疲れているわけじゃあるまいし、意図も正直よくは分からない。
あまりにも見たことのない表情で組み伏せられ、加えて途中で止まった言葉に抱く疑問、その続き……。
こちらから問えば、まさかこたえが得られるなんて思うことは流石に出来なかったけれど、改まって広げられた足、彼の腕に掴まれた腿に痛みが走ることはなかった。
「な、……に、…ッ!!あ……」
「ハァ……――んぁ…何もねえよ……忘れとけ…」
「ッ…あ……、っ…ア……んんっ!」
「このまま出してやる……ナカにたっぷり……おまえも真っ白になれよ」
「!や……、ァ…っ……あ…ッッ――」
ベッドの上での絡みはあまりに甘美だった。
言葉を紡がれた疑問は残れど、名無しにとっては快楽中枢をことごとく刺激され、声を出さずにはいられなかったし、当然感じずにもいられなかった。
シルバーの突きは一回一回が激しく、強かだ。
けれどそのたびに全身に悦が駆け巡り、ほどなくしてピークが訪れようとしているのも自ずと察せていた。