rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第31章 wrong step on the stairs5
「い……あぁ…ッ」
「ハァー……んぁ…、ああ……好いぜ…おまえはどうなんだよ……名無し」
「っ……聞…っ……!ひゃ……ぁ…」
その光景は、何処か見覚えがあったように思う。
再び浴びせられた快楽で頭が朦朧としていて確信は持てなかったけれど、それは多分、シルバーが見せてきた例のポルノか、最近テレビで見たものだ。
女はメスを体現した容姿で男を誘い、自らに相手を沈ませてゆく。
嘶くように部屋に響いた喘ぎ、それに合わせて揺れる胸元。
身体を支えていたのはベッドではなく、透明な窓ガラス。
目下に広がる電飾が、ただの夜景と謳うには、どうにも品の無いように感じた。
「い、…好い……も、っと…」
「!……ハッ…ああ……突いてやるよ…ほらよ……っ」
シルバーの律動に同調するかのように、頭のなかで流れた、おぼろげだった暗い映像が鮮明になってゆく。
名無しは記憶を改め、そのシーンがポルノの一部だったことに気付くと、恥じらう余裕もなく諦め半分、彼に身体を委ねた。
水音が増し、引っ掻くことのできない窓に爪を立てながら、こんな状況をテレビで見るわけが無いだろうと嘲笑さえ漏らす。
くびれに角度がつき、腰を抱かれて背後から浴びせられる抽送はとてもいやらしかった。
高層フロアとはいえ、数ある個室とはいえ、誰が見ているかもわからないというのに……。
恥ずかしい下着を残したままその間から挿入され、感じている名無しの赤らんだ横顔は、何度だってシルバーを本気にさせたし、胸を高鳴らせていた。
それは体勢に変化があっても続いており、窓際での行為にシルバーが飽きた頃、名無しはその身を傍にあったソファへと移されていた。
彼は二度目を、そこで吐き出すと決めていたようだった。