rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第31章 wrong step on the stairs5
ベッドシーツがホテルの備品ということが分かっている所為か、それを握り締める力も、いつもより強いなと我ながら感じる。
どんなに皺が出来ても気にしなくていい。
枕に沢山の汗が飛び散って、はしたなく唾液が垂れてしまっても、誰に謝る必要もなかった。
「は……ぁ…」
「名無し」
「っ……待って…もっと暗…」
「ハッ……これ以上は譲れねえなあ……ほらよ…おまえが頭んナカで欲しがってるもん、全部くれてやるからよ……許せって」
「!ん……んぁ…」
一度射精し気分を好くしていたシルバーは、結局、健気に乞うた名無しを裏切ることはなかった。
けれど部屋の照明についてだけは、彼女にとって、僅かに不満を覚えさせる結果を残していた。
別に納得できないわけじゃない。
が、恥ずかしさがあるからこそ、本当ならもっと真っ暗な場所で抱かれたかった。
ひと通り羞恥心を晒してシルバーに見せていたのだから、勘弁して欲しいと思ったのが名無しの言い分であり、また本音でもある。
そのために、自らフェラにまで走ったというのに……。