第20章 in the maze

陰部がねちねちといやらしく唸り、身体の奥まで突かれ、その度に卑猥な息遣いが漏れる。
潤む瞳はシルバーを見つめ、時に逸らし、また見つめる。

彼の思いもよらない問いには、どう返せば正解だったのだろう……。

模範を紡げなかった名無しは、やはりまた快感を奪われ焦らされる不安に駆られ、いよいよその覚悟もしていた。

けれど、淀みのないまっすぐな言葉と認識されたのか、シルバーは名無しへの突きも、愛撫も、中断することは何ひとつなかった。


何ひとつ、どころか――。


「ッ……え…、！ッあ……」

「ほら……イケよ、この変態。オレ様も……おまえのナカにたっぷり出してやるよ――」

「……っや、！！…ア……あッ――」


腰を軸に、おもいきり反った艶めかしい身体。
そこに巻き込まれて締め付けられる感触はむしろ、絶対にそこから抜け出たくないと思わせる。

シルバーは、その純朴さに反して口にする名無しのいやらしい本音と、彼女そのものの熱に侵され、自らがハイになり続ける様を止められずにいた。

焦らしももうおしまいだ……そう思わずにはいられないほど、一緒に気持ち好くなって、溺れて、肌を触れ合わせていたいのだと痛感させられる。

勿論、抱く恋慕もまた然り……。


「名無し――」


この先、約束を破ることは当たり前のようにあるかもしれない。

けれど逆に守ることもできるかもしれない。


いまはただ、目の前の彼女が愛おしくてどうしようもなかった。