rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第20章 in the maze
「ッ……ん!」
「んー……、ハァ……あとちょっとだったのにって?好さそうに腰動いてたもんなァ…?すーぐ分かっちまったよ」
「……っ、あ……」
しっとりと芽に擦りあてられていた舌が離れた瞬間の、何も感じなさといったらなかった。
物理的に離れ一瞬にして消え失せる、快楽の幻影を思わず追いかけたくなるほどには起きた現実が辛かった。
名無しは驚きゆえに含んでいたシルバーの陽物を口腔から遠ざけると、下半身の虚無感から目を背けるべく、つぶらなそれを伏せた。
酷い仕打ちに唇を噛み締め、再び遊ばれているのだと思い込み胸を痛める。
手中の力も自然と抜けたけれど、それでも、シルバーの猛りは何事もなかったかのように自立していた。
「なに……っ、……ぁ…」
「ハッ……これくらいで拗ねんなよ……焦らされて不満そうなわりに、好い面してるぜー?カワイイカワイイ」
「…っ……?!や……あ…、挿……ッひ…」
尻を上げ下げして身じろぎ、内腿に垂れる潤滑が淫猥に糸を引く。
完全な消化不良にひくつきが止まらなかった。
絶頂が欲しかった名無しは、それを分かっていて愛撫をやめたシルバーに胸中を読まれ、否定もできずただただ涙目を作る。
このもやもやはどうしたら消えてくれるのか……。
とはいえ、シルバーは自分の上で四つん這いになっていた名無しの下着を剥がし、腰を再び抱くと、彼女を自分の上で座すよう促した。
背中を向けたまま腹のそばで腰を下ろさせると、乱れた髪の中にすっと伸びる生白い背筋に興奮を覚える……。
手を伸ばして彼が掴んだのは名無しの細腕で、名無しはそのままシルバーの上に倒され、背面上位を許した。
そして、シルバーの大きな欲望が陰部をとらえたのも、一瞬のことだった。